【NQNニューヨーク=古江敦子】27日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、前日比20銭円安・ドル高の1ドル=118円60~70銭で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表までは米景気指標の改善や持ち高調整に伴う円売り・ドル買いが優勢で、一時119円08銭と6日以来3週ぶりの円安・ドル高水準を付けた。声明発表後は円に買い戻しが入って下げ幅を縮めた。
米連邦準備理事会(FRB)は声明で米経済成長が「昨年末から減速した」とし、判断を下方修正した。世界景気や金融動向についても「念入りに注視する」との表現を加え、足元の市場混乱に警戒感を示した。市場では「FRBは緩和的な政策運営を重んじる『ハト派』寄りの姿勢を強めた」(邦銀トレーダー)との見方が多く、事前に円売り・ドル買いに傾けていた持ち高を解消する円買いが広がった。
午前発表の昨年12月の米新築住宅販売件数は前月から10.8%増えた。米住宅市況は回復基調を保っているとの見方から円売り・ドル買いを誘った。
円の高値は朝方につけた118円34銭だった。
円は対ユーロで5日続落。前日比50銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円15~25銭で取引を終えた。ドルに対してユーロが上昇し、円に対してもユーロ買いが及んだ。
ユーロは対ドルで3日続伸。前日比0.0025ドル高い1ユーロ=1.0890~0900ドルで終えた。FOMC声明がハト派寄りな内容だったとの市場の受け止めから、ユーロ買い・ドル売りが入った。月末を前に、持ち高を調整する目的のユーロ買いが入りやすい面もあったという。
ユーロの高値は1.0918ドル、安値は1.0860ドルだった。