【ワシントン=長沼亜紀】米紙ワシントン・ポストは28日、43年ぶりに移転した新社屋で開設式を開いた。政府要人らの来賓を前に、社主のジェフ・ベゾス氏が「電子テープ」をカットした。
新社屋は、ウォーターゲート事件報道などを生んだ旧本社から3ブロック離れた中心街のビル内にある。同社はベゾス氏が2013年に買収し経営を再建中。新社屋はデジタル部門を強化するために、映像スタジオやインターネット・ラジオ収録スタジオなどを備え、編集局の設備も大幅に更新した。すでに15年12月から運用している。
発行人のフレデリック・ライアン氏は新社屋について「メディア・テクノロジー企業に進展した事業にふさわしい拠点。世界レベルの記者が才能あふれるエンジニアと机を並べ、あらゆる形態でニュースを配信する方法を試し、開発している」と述べた。昨年12月にはウェブサイト訪問者が7600万人に達し、電子版の購読者は1年で78%増えたとし、変革の成果を強調した。
式典には、ケリー米国務長官らが出席した。