東北大学や海洋研究開発機構の研究チームは、北海道から関東までの太平洋沖に周期的な地殻変動があることを見つけた。プレート(岩板)の境目の一部がゆっくり滑る現象「スロースリップ」が1~6年周期で起きていた。この現象に合わせてマグニチュード(M)5以上の地震が増える傾向があることも確認。長期的な地震発生確率の計算に役立つ成果という。
米科学誌サイエンス(電子版)に29日、掲載される。
スロースリップが生じるとプレート間のひずみがプレートの一部に集中し、地震を起きやすくすると考えられている。東日本の太平洋側でも観測されていた現象だが、周期的な変化は知られていなかった。
研究チームは北海道から関東までの太平洋沖で過去28年間に発生したM5以下の地震波形などを調べた。約1500カ所の震源で地震が繰り返し起きており、その際の地殻変動からスロースリップによって滑る速度を計算。滑る速度は1~6年周期で変化していると結論づけた。速い時期には遅い時期に比べて、M5以上の地震が6.2倍多く発生していた。