企業が掛け金を主に負担し、公的年金に上乗せする「企業年金」の運用利回りが、昨夏以降の世界的な株価下落で2015年度に5年ぶりにマイナスになったことがわかった。掛け金を預かる大手生命保険会社の運用利回りが年5~6%のマイナスに落ち込んだ。運用環境の悪化が長引けば、企業が追加の拠出を迫られるおそれもある。
運用利回りがマイナスになったのは、日本生命など大手生保4社の主力運用商品。従業員が決まった金額の年金を受け取れる確定給付年金向けで、計約2500の企業・団体から掛け金を預かっている。
大手生保各社は預かった掛け金の4~5割程度を国内外の株式で運用。株高が続いた12~14年度の運用利回りは年15~20%のプラスだったが、15年度は夏以降、中国経済の減速懸念などで株価が世界的に大きく値下がり。日本でも、一時2万円を超えていた日経平均株価が、年度末には1万6000円台まで下がり、5年ぶりに前年度末を下回った。大手生保各社の運用利回りも大きく悪化した。