小売り2強の稼ぎ方には違いがある
小売り2強の2016年2月期決算が13日出そろった。セブン&アイ・ホールディングス(HD)はコンビニ、イオンは金融事業などで稼いで増収増益となった。だが、いずれもスーパー事業は足を引っ張ったままで、セブンには「カリスマ経営者」の引退表明も影を落とす。
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セブン&アイの売上高は前年比0・1%増の6兆457億円、営業利益は2・6%増の3523億円だった。スーパー事業は、カジュアル衣料のユニクロや家具のニトリなどの専門店に客を奪われ、厳しさが続いた。傘下のイトーヨーカ堂は上場以来初めて営業赤字となったが、好調な国内外のコンビニ事業で補った。
コンビニの利益の源泉は、国内最大の約1万9千店舗のきめ細かな展開と、セブン&アイがメーカーと共同開発する自主企画商品(プライベートブランド)だ。年間売上高はすでに1兆円を超え、175商品がそれぞれ10億円以上を売り上げた。パンや総菜の絶え間ないリニューアルも商品の人気を高めた。
一方、イオンの売上高は15・5%増の8兆1767億円。営業利益は25・2%増の1769億円となり、4年ぶりに増益となった。
スーパー事業は、地域の消費者の生活に合わせた店舗改装を進めるなどし、不採算店舗の改善に努めるが、成果を上げきれていない。全体に占める売上高は7割超だが、営業利益率は0・5%。全体の利益率2・2%も下回る。