花束を渡される囲碁六冠王の井山裕太名人(中央右)と伊田篤史十段=13日午後6時12分、長野県大町市、竹花徹朗撮影
伊田篤史十段(22)に挑戦者の井山裕太名人(26)=六冠=が2連勝し、囲碁界初の七冠独占へあと1勝と迫っている第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が14日、長野県大町市で打たれる。タイトル戦で連戦連勝を続ける井山名人が一気に偉業達成するか、大一番となる。
井山裕太名人
囲碁の七大タイトル戦がそろって今年で40年。井山名人は現在、史上最多の六冠(名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖)を保持し、前人未到の全冠独占へ突き進む。一方の伊田十段は昨年、七大タイトル戦史上最速のプロ入り6年0カ月で十段となった。井山名人を追う世代の筆頭格だ。十段防衛にはここから3連勝するしかない。
13日、対局場のホテルで開かれた前夜祭で、伊田十段は「(井山名人が)あと1勝ということで注目されていると思うが、僕も意地を見せられるよう精いっぱい頑張りたい」と語った。続いて井山名人が「非常に注目していただいているシリーズで、こういう中で対局できることは棋士として幸せ。自分の力を出し切って、皆さんに喜んでいただけるような戦いをしたい」と述べた。
対局の持ち時間は各3時間。14日午前9時半に始まり、途中、正午から1時間の休憩をはさんで、同日夜までに決着する。