東海大学阿蘇キャンパスから自衛隊のヘリコプターで避難する学生たち=16日午後4時38分、熊本県南阿蘇村、遠藤啓生撮影
政府は16日、同日未明の地震を受け、地震非常災害対策本部会議を3回開いた。被災地に派遣する自衛隊員を2万5千人に増やすなど、救助の態勢を強化。避難の長期化に備え、被災地に90万食分の食料を送ることや、当面の住まいの確保に取り組む方針も明らかにした。
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首相は16日夕の会議で、閣僚らに対して「夜間の救命救出活動は極めて困難なものになるが、助けを待っている方々がいる。引き続き、人命(救助)に対して全力を尽くしてほしい」と指示。また、避難所での高齢者や乳幼児らに配慮するよう求めた。
菅義偉官房長官は会議後の記者会見で、熊本県内の避難所に約9万人が避難していることを明らかにし、「対策本部のもとに、関係省庁による物資調達班を設置し、被災者数に応じた3日分の食料、90万食を供給する準備を進めている」とした。石井啓一国土交通相は会議後、プレハブ業界に仮設住宅の準備を指示したことを記者団に明らかにした。
自衛隊などの支援態勢も増強。2千人だった自衛隊の派遣規模を16日中に1万5千人に増やし、17日以降は2万5千人態勢に拡大。警察や消防も熊本県外からの応援を1千人以上増やした。中谷元・防衛相は米国の支援についても受け入れを検討する考えを示した。
首相は16日に予定していた被災地の視察を取りやめ、17日に予定していた衆院北海道5区補選での応援演説も中止した。
一方、自民党の二階俊博総務会長は16日、水戸市内で記者団に対し、「災害復旧のために補正予算が必要とあれば、当然、それに対応していくべきだ」と述べ、補正予算の編成も検討すべきだという考えを示した。