福岡市博多区で7月、警察官の格好をした男らに6億円相当の金塊(約160キロ)が盗まれる事件が起きていたことが、捜査関係者への取材で分かった。男らは金塊が運ばれるタイミングを狙い、職務質問のふりをして金塊を盗んだとみられ、福岡県警は組織的な窃盗事件とみて調べている。
捜査関係者によると、7月上旬、博多区のビル内や路上で、貴金属販売店に売るために金塊を運んでいた男性数人に、警察官の格好をした男数人が「警察官だ」「密輸品なのは分かっている」などと声をかけた。男らの服には、警察のものに見せかけたワッペンなどがついていたという。
男らは金塊が入ったケースを渡すよう指示。ケースを調べるふりをして、男性らが目を離したすきに車にケースを運び入れて逃げたという。男性らは「最初は本物の警察官と思った」と話しているという。警察官に装った服は後日県外で見つかり、県警が押収した。
男性らは事件前日に、金塊を転売目的で買ったという。男らは金塊が売買されるタイミングを知っていた可能性があるといい、県警は暴力団なども絡む組織的な事件の可能性があるとみて調べている。