子どもが18歳になる年度末まで低所得のひとり親に支給される「児童扶養手当」の受給者のうち、必要とする食料を買えなかった経験がある人が2割以上いることが厚生労働省の調査でわかった。手当があっても貧困に陥るケースが多いことが浮かび上がった。
児童扶養手当は、子ども1人の場合は年収365万円未満のひとり親世帯が対象。所得に応じて月9990円~4万2330円が支給される。調査は今年2、3月に8883人の受給者を対象に実施し、1346人(15・2%)から回答を得た。
過去1年間に経済的な理由で嗜好(しこう)品を除く必要な食料を買えなかった経験が「よくあった」と答えた親は7・7%、「ときどきあった」は13・4%だった。10~18歳の子ども839人の調査では、朝食を1人きりで食べる「孤食」の頻度が「毎日」と答えた子どもは19・5%、「ときどき」が22・4%で計4割を超えた。朝食を「ほぼ毎日食べる」のは77・1%だった。
厚労省によると、児童扶養手当の受給者は今年3月末時点で約103万8千人。国民一人一人の可処分所得を計算し、真ん中の人の所得の半分に満たない割合を表す「貧困率」は、ひとり親世帯で54・6%(2012年時点)に達する。(伊藤舞虹)