衆院の選挙制度改革を審議する衆院特別委員会は27日、小選挙区を0増6減、比例区を0増4減し、総定数を戦後最少の465とする自民・公明提出の改正法案を可決した。自公両党に加え、おおさか維新の会も賛成に回った。28日の衆院本会議で可決、参院に送られ、来月中旬にも成立する見通し。
青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で小選挙区を各1減。東北、北陸信越、近畿、九州の比例4ブロックの定数を各1減する。選挙区の区割り見直し作業と周知期間を経て、新制度で衆院選を行うのは早くても来年以降。それ以前に衆院が解散されると現行のまま選挙を行う。
衆院議長の諮問機関が提言した、人口比に応じて都道府県へ小選挙区定数を配分するアダムズ方式は、2020年大規模国勢調査の結果に基づき導入するとして先送り。それまでは、14年衆院選を「違憲状態」とした最高裁判決で、格差の主因とされた「1人別枠方式」が温存される。
27日の審議では、「自公案では違憲状態は解消されない」とする民進議員に対し、自公案提出者の公明の北側一雄氏が「自公案は20年以降にアダムズ方式を適用することを明記しており、最高裁が『違憲状態』と言う可能性はない」と反論した。
おおさか維新は、国会改革や定数削減などを今後検討するという趣旨の付帯決議を行うことで自民、公明両党と合意し、賛成に回ることになった。民進党が提出した10年大規模調査をもとにアダムズ方式導入と定数10減を即時実施する案は否決された。