今月の総選挙で韓国の比較第1党になった最大野党「共に民主党」の金鍾仁(キムジョンイン)・非常対策委員会代表は27日、「慰安婦問題は合意したが、十分履行されていない。履行の速度を上げなければならない」と述べ、昨年12月の日韓慰安婦合意を支持する考えを示した。別所浩郎・駐韓日本大使との面談で語った。
同党は従来、合意の破棄を求めていた。同党は「合意の法的拘束力はないとした党見解の変更というより、外交の進展に配慮した」としているが、選挙で同党を勝利に導いた金氏の影響力は強く、履行への追い風になりそうだ。
金氏は3月1日に元慰安婦らと面会した際にも「現時点では、国家間の交渉結果を修正できる条件にない」と語っていた。野党第2党、国民の党の安哲秀(アンチョルス)共同代表は、合意の破棄を求めている。
韓国では今月末にも、元慰安婦らを支援する財団の設立準備組織が発足する見通しになっている。(ソウル=牧野愛博)