来年の京都の国際会議に向けて、課題や意気込みを語り合う日本人参加者たち=24日、ブダペスト
■認知症の国際会議・取材日記@ブダペスト
介護とわたしたち
26日の朝に、関西空港に着きました。大阪市に向かう電車の中で聞こえてきた関西弁に、ほっとした自分。改めて英語に対する苦手意識を思い知り、苦笑いしてしまいました。
職場に土産のチョコレートを届け、見慣れた大阪の街を歩くと今度は、飲食店や商店の看板に書かれた英語が目に留まりました。海外からの観光客が増えているからでしょう。店先に置かれたメニューにも、簡単な英語の説明が添えられていました。遅ればせながら、ささやかでも心遣いが大切なんだと気づかされました。
振り返ると、今大会の昼食もベジタリアン向けや、小麦などを使わないグルテンフリーなど、様々な配慮が見られました。食だけでなく宗教や文化の違いもあり、世界中の人が参加する国際会議では、こまやかな気配りが必要なのでしょう。
さて、認知症の国際会議は来年、京都市に舞台を移して開催されます。
24日の閉会式が終わった直後、来年の会議の運営に携わる日本人のスタッフたちがホテルのロビーで、今回の会議について語り合っていました。
「車いすの人のトイレが少なく、場所も分かりづらかった」「講演の資料がもっとわかりやすかったら」。話しながら、来年の会議に向けて、着々とイメージをふくらませているようでした。
日本での開催は2004年以来。そのときは、認知症の人が壇上で、自らの経験を語ったことで注目が集まりました。ほんの少し前のことですが、認知症への偏見が、今よりも強かった時代でした。
13年ぶりの国際会議はどうなるのでしょう。「おもてなし」の心と、世界に向けたメッセージ。京都の会議で日本は何を発信するのか、今から取材が楽しみです。
1週間ほどの短い期間でしたが、この「取材日記」にお付き合いくださり、ありがとうございました。今回の会議については、後日あらためて、朝日新聞の紙面やデジタルでお伝えする予定です。(浜田知宏)