食事中、田中実子さんはじっとカメラマンを見つめ続けた=3月23日、熊本県水俣市、福岡亜純撮影 5月1日、水俣病は公式確認から60年を迎えた。熊本県水俣市の田中実子(じつこ)さん(62)は1956年、入院先の病院が「原因不明の病気」として保健所に届け出て、公式確認のきっかけになった患者の一人だ。発症から60年。そのほとんどを居間で過ごし、これからも過ごす。両親は亡くなり、姉夫婦による介護が続く。 3月、自宅を訪ねた。普段は横になっている実子さんだが、この日は居間の座布団1枚ほどの場所にひざ立ちをして、くるくると回っていた。 足を小刻みに動かしながら、一点を中心に回る。数十秒で1回転。何回も何回も。口は真一文字に結んだまま、その目は視界に入る家族らの顔を捉える。そして突然、後ろ向きに倒れこんだ。そばで見守るヘルパーの女性がとっさに下に滑り込み、抱きかかえる。しばらくして起き上がり、再び回り始めた。実子さんは話せない。時折「んー」と小さな声を漏らす。 自宅は水俣湾の小さな入り江にある。原因企業チッソの工場からの廃水が流れ込んだ湾だ。56年4月、5歳の姉が発症し、その10日ほど後に2歳11カ月の実子さんが発症。「くつがはけない」という言葉を最後に、話せず、歩けなくなった。姉妹は市内随一の病院だった新日本窒素肥料(現チッソ)付属病院に入院。院長が原因不明の病気の多発を保健所に届けた5月1日が公式確認とされている。姉は発症から3年足らずで亡くなった。 水俣病の原因物質のメチル水銀は中枢神経を壊す。実子さんがなぜ回るのか、誰もわからない。約30年前に両親を亡くしてから、この症状が出始めた。ひざは黒く、硬くなった。長いこと回り続けたからだと義兄の下田良雄さん(68)は考える。別の朝。実子さんはいつもの場所で両足で立って回っていた。そして後ろに倒れた。周囲にクッションが敷かれた。 お昼。回る実子さんを布団に寝かせ、食事が始まった。ヘルパーが指で唇に隙間をつくり、つぶした煮物を少しずつ入れると、口が動いた。食事には1時間かかった。 |
生きている姿知って 水俣病闘病60年の田中実子さん
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