30日のお立ち台。「グッド!」のときは、親指を上に向けて立てる=京セラドーム大阪
■スコアの余白
オリックスが本拠地で初勝利を飾った4月3日。お立ち台で、今の心境を聞かれた糸井が答えた。「ハッピー・グッド」。ツイッターでは「何しゃべってるんだろう?」というつぶやきも見つけたが、ちゃんと意味がある。
スコアの余白2016
ヒーローインタビューの最後は、ファンと一緒にかけ声を上げるのが、オリックスでは恒例となっている。スタジアムMCの平野智一さんが「行くぜ、Bs(ビーズ)スピリッツ」と発すると、ヒーロー選手が「ハッピー」と言った後、ファンが「グッド!」とこたえる。一体感を醸成するのが目的。これを頭脳派の糸井が、先取りしたのだ。
この言葉は1月下旬、T―岡田が参加したトークショーで初披露された。最初は言葉の意味が分からないお客さんも目立ったが、司会が「監督の名前は?」と呼びかけたところで、全員が納得。「福」と「良」を一文字ずつ英語にした。
観客が発する「グッド」には、コツがあるそうだ。「『グー』になってしまうお客さんがまだ多い。『ド』をもっと強調してほしい」と平野さん。今季、最初にお立ち台で「ハッピー」と言ったのは、米国人のディクソン。本場の発音だったから、観客も流暢(りゅうちょう)な英語っぽく「グッド」の「ド」が小さくなってしまったのかもしれない。
30日現在、合言葉が聞かれたのは5度。浸透させるには、主催試合での勝ち星を積み重ねるしかないことは、言うまでもない。(井上翔太)