ひき逃げ被害の通報を受け、ナンバーの目撃情報から関係車両を特定したのに、それ以上の捜査を怠ったとして、兵庫県警は2日、飾磨署交通1課の男性巡査長(30)を犯人隠避と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検し、停職1カ月の懲戒処分にした。捜査関係者への取材でわかった。
巡査長はほかにも人身事故8件の捜査を放置。「処理が追いつかなかった。捜査に嫌気がさし、手持ちの事件を増やしたくなかった」と話しているという。
捜査関係者によると、巡査長は昨年9月、40代の男性から兵庫県姫路市の交差点を歩いて横断中に乗用車と接触した、とする通報を受け、現場で被害状況を聴いた。乗用車は現場から立ち去っており、男性が覚えていた車種とナンバーの一部から車両照会で所有者を特定しながら、巡査長は捜査記録には「43台該当」と状況を偽って記載。捜査が難しいように装い、事件処理を放置した疑いがある。
「目撃の車はなかった」と伝えられていた男性が昨年12月、姫路市内でこの車を見かけ、署に指摘して発覚。別の捜査員が事件処理を引き継ぎ、車を運転していた50代女性に道路交通法違反(横断歩行者妨害)容疑で青切符を交付したという。