奈良県生駒市で長男(当時2)と長女(3)がプラスチックケースに閉じ込められ、長男が死亡した事件で、奈良地検は2日、父親の会社員井上祐介容疑者(39)=同市辻町=を監禁致死などの罪で起訴した。
井上容疑者は、長男に対する殺人容疑で逮捕されていたが、奈良地検は「殺意を立証できる十分な証拠がなかった」として、殺人罪の適用を見送ったと説明している。長女については監禁罪で起訴した。
起訴状などによると、井上容疑者は4月10日午後5時50分ごろ、自宅で、プラスチックケース(高さ30センチ、幅80センチ、奥行き40センチ)に長男の幸也(ゆきや)君と長女を押し込め、ふたを閉めて20~30分間放置し、幸也君を死亡させたとされる。
井上容疑者は2人をそれぞれ背後から抱きかかえ、うつぶせで閉じ込めたといい、幸也君は胸腹部を圧迫され、窒息による低酸素脳症で死亡したとされる。
奈良県中央こども家庭相談センターや生駒市によると、昨年12月、井上容疑者宅で「子どもの泣き声がする」と通報があり、「要保護児童」として見守っていく方針だったという。井上容疑者は逮捕後の調べに対し、「殺すつもりはなく、しつけだった」と殺意を否認していた。