自民党の高村正彦副総裁は3日のNHK番組で、憲法改正について「実現可能なものからやるのは当然」と述べ、改正の発議に必要な3分の2以上の賛成を得られる項目から改正するべきだとの考えを示した。具体的な項目として、大災害発生時の国会議員の任期延長を定める緊急事態条項の新設を挙げた。
憲法9条については「自衛隊の存在を明記することが必要」と改正の必要性を指摘しつつ、「喫緊の課題かどうかと言われると、必ずしもそうは言えない」と述べた。夏の参院選で憲法改正が争点になるのか問われると、「これからも(憲法改正を)訴えていく。反対という党がある以上、争点になる」とした。
これに対し、連立を組む公明党の北側一雄副代表は「争点にはならない。具体的な(改正)テーマを争点にして選挙をやる段階に至っていない。まずは政党間の論議、国民の理解を深めていくことが大事だ」と慎重論を唱えた。
一方、民進党の岡田克也代表は「安倍首相の眼目は9条改正。限定なき集団的自衛権の行使を認めることだ」と指摘。「(参院)選挙で声高に言わなくても、3分の2を取れば必ず(憲法改正を)やってくる。それを絶対に阻止しなければいけない」と訴えた。
共産党の志位和夫委員長は、集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法は違憲だと主張。「4野党は安保法制の廃止を(参院選の)共通の目標にする。立憲主義を破壊する安倍政権に憲法をいじる資格はない」と批判した。
野党のなかで憲法改正に積極的なおおさか維新の会の片山虎之助共同代表は、「おかしくなったところは直す、足りないところは付け加える。触るな、語るな、変えるなというのは間違い」と述べた。