2日、約40年ぶりに米国からキューバに着いた米国客船を眺めるキューバ人たち=ハバナ港、シンチア・ナカタさん撮影
38年ぶりとなる米国からキューバへのクルーズ船「アドニア」が2日朝、ハバナに到着した。観光業に力を入れるキューバにとって新たな外貨獲得の手段だ。地元メディアによると、ハバナ港では市民が両国の国旗を振って歓迎した。
マイアミを1日に出港。亡命者が命を懸けて渡ってきたフロリダ海峡を航海した。乗客は約700人。米CNNはクルーズを運営する米カーニバル社の情報として、米国などに住むキューバ人6人が含まれていると報じた。キューバ政府は同国民の海路での入国を禁じてきたが、4月に解禁した。ただマイアミ港では、カストロ政権に反対する人々による抗議もあった。
7日間かけて、ハバナ、中南部シエンフエゴス、東部サンティアゴ・デ・クーバを回る。運航会社によると今回の料金は2662~8767ドル(約28万~92万円)。今後、同じコースを2週に1度めぐる。クルーズのマネジャーは「新時代の始まり」と話した。
両国間のクルーズは、59年のキューバ革命で途絶えた。関係改善の動きがあった米カーター政権期の77、78年、ニューオーリンズからのクルーズが何度かあったが、運営会社の廃業もあって続かなかった。(ロサンゼルス=平山亜理)