白井を0・65点差で追う田中佑典
体操のNHK杯は4日、リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねて東京・代々木競技場で開幕する。5日に行われる男子は、4月の全日本個人総合選手権の得点を持ち点にして競う。すでに内定している内村航平(コナミスポーツ)を除いた今大会の上位1人が2人目の五輪代表に決まる。残り3人は6月の全日本種目別選手権で選ばれる。
代表争いで首位に立っているのが、本来はゆかのスペシャリストの白井健三(日体大)だ。全日本では上位陣が崩れるなか、のびのびと演技し、内村に次ぐ2位に入った。白井は「持ち点があるので気楽に臨める。結果より内容を重視したい」と気負いがない。
黙っていないのは、個人総合で世界選手権の表彰台に上がった経験のある選手たち。2013年世界選手権銀メダリストの加藤凌平(コナミスポーツ)は白井との持ち点差が0・3。「僕がミスなく演技できれば2位に入れる点差」と自信を見せる。14年世界選手権銅メダリストの田中佑典(同)は白井と0・65点差。落下やしりもちでひっくり返る。田中は「オールラウンダーの集大成をつくってきた。見せてやりたい」と譲らない。
内村は「これだけ世界の舞台を経験してきた自分でも五輪は調整が難しい。NHK杯での良い演技がリオでも必ずできるぐらいの自信を持ってやってほしい。それができないと団体金メダルも見えてこない」。各選手が力を出しきった中で代表が決まることを望んでいる。(金島淑華)