山口県下松(くだまつ)市の山陽自動車道で3日夜にあった計7台の多重衝突事故で、県警は4日、山口市阿知須(あじす)、中井麻美さん(37)と中学2年の息子秀悟さん(13)、小学4年の娘麻穏(まおん)さん(9)の3人が死亡したと発表した。他に夫の会社員幹裕(みきひろ)さん(36)ら3人が重傷、3人が軽傷を負った。
山陽道で7台事故、9歳児含む3人死亡 トラック衝突か
県警は渋滞の車列にトラックが追突したとみて、トラックを運転し軽傷を負った広島市安佐南区大町西3丁目、運転手行広(ゆきひろ)恵子容疑者(54)を同日夜、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕した。調べに対し、「(事故当時)ボーッとしていた」と話しているという。
中井さんの車には一家5人が乗っていた。幹裕さんは頭に重傷、息子(3)は下あごの骨が折れる重傷を負った。幹裕さんが運転席、麻美さんが助手席、子ども3人は後部座席にいたという。
ほかに広島市東区温品6丁目、看護師山下伸子さん(58)が腰の骨が折れる重傷を負った。
現場は熊毛インターチェンジ(IC)―徳山東IC間の下り線で、片側2車線の緩い右カーブ。当時、付近は別の事故の影響で渋滞していたという。県警は車列の最後尾にいた中井さんの乗用車にトラックが追突し、玉突き事故になったとみている。行広容疑者は福岡方面にパンを運んでいたという。
中井さん一家は広島県内の麻美さんの実家に帰省し、帰宅する途中だったとみられる。