乗用車がバス前面に食い込んでいる=4日午後9時46分、福島県大熊町、本田雅和撮影
4日午後8時45分ごろ、福島県大熊町下野上の常磐道下り線で、高速路線バスと乗用車が衝突した。県警によると、乗用車を運転していた同県広野町の中国籍の女性(33)と同乗の娘(6)が死亡した。バスの乗客も少なくとも約30人が軽傷を負い、近くの病院に搬送された。
県警によると、現場は富岡町の常磐富岡インターチェンジ(IC)と浪江町にある浪江ICの間の片側1車線の対面通行区間。事故の影響で常磐道は5日午前1時現在、上り線が南相馬ICから常磐富岡IC、下り線が常磐富岡ICから浪江ICが通行止めになっている。
乗客などによると、バスに反対車線から出てきた乗用車が正面衝突し、バス前面下部に食い込んで大破。バスもフロントガラスと前面が大破した。乗客の一人は「いきなりドーンという大音響と衝撃の後、悲鳴が聞こえ、10人ぐらいが血を流していた」と振り返った。
現場は、東京電力福島第一原発事故による避難指示区域内。NEXCO東日本のホームページによると、この区間の放射線量は毎時0・65~4・05マイクロシーベルト。