特別公開されている背中の拡大写真=奈良市法華寺町の海龍王寺
奈良市法華寺町の海龍王寺で、ふだん拝観できない本尊・十一面観音菩薩(ぼさつ)立像(重要文化財、鎌倉時代)と、厨子(ずし)に隠れている背中の写真を公開している。9日まで。
本尊は高さ94センチ。慶派の仏師の作で、光明皇后が自ら刻んだ像をもとにしたとされる。銅やガラス玉の飾りをまとい、衣は金箔(きんぱく)を細く切って文様を表す「切金(きりかね)」で彩られている。
6倍に伸ばした背中の写真(幅1・5メートル、縦2メートル)も展示。切金の唐草文様などが見られる。大阪府東大阪市の伏木由季さん(45)は「朱や群青などの色もよく残り、つややか。背中までうかがえて感激です」。石川重元住職(50)は「当時の技術の高さを感じていただければ」と話す。
特別公開時の拝観料は大人500円、中高生300円、小学生100円。(栗田優美)