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煮干しのピアスに太刀魚のネックレス。大阪市此花区の作家あおみかんさんが作る、一風変わったアクセサリーが話題だ。魚を樹脂でコーティングし、クリスタルガラスやレースで装飾する。「身につけることで思わず笑える面白さを届けたかった」。展示会などで評判を呼び、外国人観光客からも人気を集める。
煮干しのアクセサリーは、2013年から始めた。ダシ取り用の煮干し(7~13センチほど)を用意し、専用の樹脂で何度も重ねづけして乾燥させ、つやを出す。目にはクリスタルガラスを付けて輝きを演出。中に気泡ができないように樹脂を重ねてぷっくりと仕上げるのがコツで、最低10日はかかる。樹脂を何度も重ねづけすることで煮干しの臭いもなくなる。
最後に周りにビーズやレースをあしらい、ピアスやイヤリング、ネックレス、ブローチに加工して完成。商品名は「にぼし姫」「親子にぼし」「子宝にぼし」など数種類ある。太刀魚ネックレスは干物用の体長20~30センチのものを使うので、さらに時間がかかる。
小さい頃から、欲しい物は自分で作って遊ぶ子どもだった。短大専攻科で造形芸術を学び、グラフィックデザイナーとしてデザイン会社に10年ほど勤務したが、朝から晩まで働く生活に身も心も疲れてしまい退社することに。「自分も元気をもらえる作品を作りたい」と作家になった。
昔から形としても食べ物としても好きだった魚をテーマに、作品を作ろうと考えた。煮干しは、ダシを取られるだけ取られて捨てられる。その姿が、働きづめでボロボロになっていた自分と重なった。「もう一度、輝こう!」。そんな思いを込めて、煮干しを可愛くアレンジしてみた。