「園子温という生きもの」の園子温(左)と大島新監督
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の鬼才、園子温監督を被写体にしたドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」が14日公開される。監督を務めたのはテレビディレクターの大島新(あらた)。園が見せる多様な面をカメラに収めると同時に、園に近い人たちから赤裸々な証言を引き出している。
大島監督が園に関心を抱いたのにはいくつかの理由がある。彼の父親は大島渚監督。2013年に父が亡くなった時、「今、大島渚のような監督はいるか」と問われ、園を思い出した。「犯罪や性、そして政治的な主題へと過激にチャレンジしていくところが共通していると思いました」
実際に会ってみると、共通点より相違点に気づかされた。「ざっくり言えば、父は隙がなくて企業でも出世しそうなタイプ。園さんは正反対です。隙だらけでね。芸術家としての純粋性は園さんの方が断然高い。父はむしろロジックの人でしたから」