警官隊とにらみ合う反トランプの市民グループ=27日、米サンディエゴ市、トレイシー・ウィルソン撮影
米大統領選で共和党候補の座を確実にしたドナルド・トランプ氏がカリフォルニア州サンディエゴ市で集会を開いた27日、トランプ氏の支持者らと反対派市民らが衝突し、一時、警察によって街区が封鎖された。米メディアによると、警察は鎮圧に唐辛子スプレーを使い、30人以上が逮捕された。数日前には他都市でも騒ぎが起きており、同氏をめぐる米市民間の分断と対立は激しさを増している。
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集会が開かれた市中心部のコンベンションセンター前では、朝からトランプ氏の主張に反対する複数の市民グループが抗議運動を繰り広げた。集会終了後の午後3時過ぎ、同氏の支持者らの一部が近づき、激しい口論が始まった。武装した警察が両グループを隔てていたが、散発的に衝突。ペットボトルが投げられ、同氏のプラカードが燃やされるなどした。
メキシコ国境に近い同市には中南米系の住民が多く住んでおり、抗議グループはメキシコ国旗などを掲げて、「トランプ氏は人種差別主義者だ」と抗議の声を上げた。一方、トランプ氏の集会に参加した市民らの多くは白人で、分断が人種間に及んでいる現実を見せつけた。
抗議グループの一人は「経済的な繁栄に取り残された人たちの怒りがトランプ氏支持につながっているのだと思う」と話した。(米サンディエゴ=真鍋弘樹)