米大統領選の共和党候補の指名獲得を決定的にしているトランプ氏(69)は27日、民主党候補の座を目指すサンダース上院議員(74)との討論会の開催案について、「今や共和党候補の私が、民主党2番手と討論会をするのは不適切だろう」と、否定的な姿勢に転じた。2日前まではやる気を見せていた。
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そもそもの開催案は、トランプ氏が25日に出演した人気テレビ番組で、司会者からサンダース氏との討論会への関心を聞かれ、「ある」と答えたことで急浮上した。サンダース氏も直後に「よし乗った」とツイッターで歓迎していた。
しかし、トランプ氏は27日の声明で、サンダース氏は民主党内レースで2位だとして討論会に後ろ向きな姿勢を示し、「サンダースとの討論会はやりたいし、やれば私の楽勝だが、民主党の1位の候補との討論会を待つことにする。相手は『曲がった(不正な)ヒラリー(・クリントン前国務長官)』になるだろう」と述べた。
一方、サンダース陣営は同日の声明で、既にテレビ局2社から開催案が持ち込まれたとして「その一つに応じて、トランプ陣営と開催日時や場所を決めたい」と意気込みを示した。特別代議員も加えた獲得代議員の総数でクリントン氏に大差をつけられているサンダース氏には、来月7日に開かれるカリフォルニア州予備選を前に注目を集める絶好の機会になる。(ニューヨーク=金成隆一)