全島避難となった新岳の爆発的噴火から1年を迎える口永良部島。噴火警戒レベルは「5」を維持したままだ。中央左奥は本村地区=26日午後、鹿児島県屋久島町、朝日新聞社ヘリから、森下東樹撮影
口永良部(くちのえらぶ)島(鹿児島県屋久島町)の新岳(しんだけ)の爆発的噴火で全島民が避難してから29日で1年を迎える。町は昨年末に居住地域の大部分の避難指示を解除し、島民の約8割が帰島した。だが、気象庁は噴火警戒レベル5(避難)を維持し、一部地域の住民は仮設住宅などでの生活を続けている。
口永良部島で噴火、警戒レベル5 全島民が避難
気象庁によると、火山活動は昨年より低下したが、マグマの上昇を示す火山ガスは1日100トンほど出ており、同規模の噴火に警戒する必要がある。火山性地震を観測する地震計が噴火で壊れたため、噴火警戒レベル引き下げの判断も当面は難しく、気象庁は近く火口付近に地震計を設ける予定という。
町によると、噴火前にいた島民137人のうち、4月現在で108人が帰島した。一方、気象庁が警戒区域とする火口から2~2・5キロ圏の地区などでは町が避難指示を維持。計10世帯20人は屋久島の仮設住宅や口永良部島の公共住宅などで暮らしている。(神崎卓征)