サミットのメニューと酒
伊勢志摩サミットが終わり、経済効果に関心が集まっている。開幕前に三重県が出した試算は県内480億円、全国1071億円。サミットでの乾杯酒に注文が殺到するなどの現象は出始めているが、長期的な効果につなげられるか。地元の期待は大きい。
特集:伊勢志摩サミット
サミットが閉幕した27日、三重県伊賀市の大田酒造では、注文の電話やファクスが夜まで相次いだ。26日の夕食会で、G7首脳の乾杯酒となった「半蔵」を目当てに、取引のない小売店からも注文が来た。
食事会のたびに振る舞われたため、地元・三重の酒は一斉に脚光を浴びた。26日昼の乾杯酒「作(ざく)」をつくる清水清三郎商店(鈴鹿市)にも注文が殺到し、特約販売店への対応に追われた。同日昼の食中酒「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦」(大台町の元坂酒造)を扱う酒店ではネット注文が殺到し在庫切れになった。「初めてのお客さんからの注文がほとんどだ」という。
同日夕の食中酒に選ばれた「辛口純米 滝水流(はやせ)純米酒」の瀧自慢酒造(名張市)は、年間生産量を超える注文が一日で来た。杉本隆司社長(53)は「『普段飲み』の酒が採用された」と話し、サミット効果に喜んだ。