5日の公式会見で、キリンカップ決勝への意気込みを語る日本代表のハリルホジッチ監督=増田啓佑撮影
サッカー日本代表のハリルホジッチ監督が就任後初めて母国と対戦する。日本代表は7日夜、ボスニア・ヘルツェゴビナとキリンカップ決勝(大阪・市立吹田スタジアム)を戦う。監督は特別な思いを抱きつつ、勝利にこだわる。
5日にあった公式会見。ハリルホジッチ監督は母国との対戦について質問を受けると、笑みを浮かべて答えた。「もちろん、ボスニアは第一の母国で特別な感情がある。ただ、そうした感情はあるけれども、フットボールにおいては全て勝ちにいく」。故郷に思いをはせながら、サッカーの話になればいつもの力強い口調に戻った。
ハリルホジッチ監督は1952年、旧ユーゴスラビアの人口1万人ほどの小さな町で生まれた。FWとして、フランス1部リーグでは得点王を2度獲得。ユーゴスラビア代表で82年のワールドカップ(W杯)にも出場した。一方で、祖国に対しては悲しい過去も抱えている。引退後は母国で暮らしていたが、旧ユーゴスラビアからの独立をめぐるボスニア紛争が勃発。内戦で多くの人が犠牲となり、自身も命の危機に直面。93年にフランスへの移住を余儀なくされた。