福岡地裁小倉支部であった指定暴力団工藤会系組幹部の裁判員裁判で、裁判員が被告の知人らに「よろしく」などと声をかけられた事件を受け、小倉支部が、閉廷後に裁判員を送迎する安全対策を始めた。小倉支部への取材でわかった。最高裁が全国の裁判所に出した通知を受けた措置という。
強盗致傷などの罪に問われた男性被告の初公判が20日にあり、補充裁判員を含む裁判員8人が出席。審理後の夕方、自家用車で来た裁判員には職員が駐車場まで付き添い、他の裁判員は裁判所裏に用意した車両で庁舎外へ送り届けた。
最高裁は14日、全国の高裁や地裁に「裁判員への接触の恐れがある事件について、裁判員の安全を配慮するように」と通知。20日の公判は小倉支部では通知後初の裁判員裁判だった。被告は暴力団関係者ではなかった。
小倉支部は送迎の事実を認め「警備上の理由から詳細については答えられない。事案に応じて必要な警備態勢をとっている」としている。