2月の事故では、写真奥から進行してきた軽乗用車が右側の住宅横の電柱に衝突した=21日午前、大阪市東住吉区公園南矢田4丁目、半田尚子撮影
大阪市東住吉区で2月、軽乗用車が電柱に衝突し、助手席の女児(当時3)が亡くなる事故があり、大阪府警は21日、衝突時に開いたエアバッグに胸を強く圧迫されて死亡したとみられると明らかにした。府警は前をよく見ていなかったとして、運転していた母親(30)=堺市中区=を16日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで書類送検した。
東住吉署によると、事故は2月17日午後4時50分ごろ、東住吉区公園南矢田4丁目の市道で起きた。母親が運転していた軽乗用車が道路左脇の電柱に衝突し、助手席に乗っていた次女が死亡。母親にけがはなかった。女児はシートベルトをしていたが、後部座席にあったチャイルドシートには乗っていなかった。
当時、目立った外傷がなく、署が女児を司法解剖した結果、流れ出た血液などが心臓を圧迫する「心タンポナーデ」と判明。エアバッグが女児の胸を強く圧迫し、強い衝撃を受けたとみられる。母親は、事故直前に右折した際にダッシュボードから落ちた携帯電話を拾おうとしたと話しており、署は前を見ずにハンドル操作を誤ったとみて、同容疑で書類送検した。
チャイルドシートは2000年4月の道路交通法改正で、6歳未満の幼児を乗せる際の着用が義務づけられている。助手席での使用を禁じる規定はない。母親は「近くの友人宅に向かうだけだったので、助手席に乗せた」と説明しているという。(辻村周次郎)