アップルのティム・クック最高経営責任者=AP
米大統領選で、IT大手アップルが7月に開かれる共和党大会への協賛を見送ると、複数の米メディアが20日までに伝えた。同党の大統領候補指名が確実となった実業家ドナルド・トランプ氏が、人種差別的な発言を繰り返していることが理由だとしている。
特集:米大統領選挙2016
報道によると、金融大手JPモルガン・チェースや自動車大手フォード・モーター、物流大手UPSなど米大手企業の間で共和党大会の協賛を見送る動きが広がっている。トランプ氏はイスラム教徒や移民、女性などへの差別的発言を繰り返しており、企業側はイメージ悪化を恐れてトランプ氏と距離を取ろうとしている。
アップルは、過去の大統領選で、米2大政党である共和、民主の両党の大会にパソコンなどの自社製品を提供するかたちで協賛した。グーグルやマイクロソフトなどの他のIT大手も同じように両党に協賛をしてきた。アップルが今回、民主党大会への協賛をどうするかは分かっていない。
アップルが自社製品の多くを中国で生産していることに対し、トランプ氏は「アップルには米国内で生産させる」と発言。フォードが4月、メキシコに新しい工場をつくると発表したときには「恥だ」と批判するなど、米大企業の海外移転をやり玉に挙げて支持率を上げてきた。(ニューヨーク=畑中徹)