三菱自動車の株主総会で、益子修会長兼最高経営責任者(CEO)は燃費不正問題を陳謝した=24日午前、千葉市
燃費不正問題を起こした三菱自動車は24日、千葉市の幕張メッセで株主総会を開き、相川哲郎社長の辞任などを承認した。日産自動車から資本や業務面の支援を受けて立て直しをめざすが、株主からは厳しい声が相次いだ。総会後の取締役会では、日産元副社長の山下光彦氏の副社長就任など新体制も決まった。
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総会の冒頭、益子修会長兼最高経営責任者(CEO)が不正について謝罪。不正の影響で2017年3月期に純損益が赤字になる見通しも説明した。
今後の再生では、日産を頼る。10月にも三菱自株の34%を日産が取得し、事実上傘下に入る。益子会長は「自動車産業の進化に対応するためにも、提携は不可避。日産との協業で収益を改善し、改革を進めて信頼回復にも取り組む」と強調した。
株主からは「なぜ益子会長が全責任を取って辞任しないのか」「日産との提携で三菱自の色が消えてしまうのでは」といった意見が出た。ある株主は「今回は内部告発もなく日産の指摘で発覚した。社員もあきらめているのではないか」と苦言を呈し、社員の意欲を増す施策を求めた。総会後、茨城県つくば市の男性(56)は「報道以上の説明がなく残念。三菱自は内部監査機能が全く働いていないのでは。日産傘下での復活を期待したい」と話した。