厳しい表情で病院へ向かう内川(左)
(25日、野球・練習試合 日本代表0―2ソフトバンク)
侍ジャパン、ソフトバンクに敗れる 練習試合
特集:2017WBC
船出の一戦としては寂しいゼロ行進だった。打線はわずか4安打。さらに野手の精神的支柱・内川が負傷退場した。約2万7千人の観衆が集まったが、試合中盤からは空席が目立った。
4番固定の筒香(D)が1安打2四球。WBCでも勝負を回避されるケースは想定できる。「筒香の後ろが重要」と小久保監督は言うが、そこで打線が途切れた。5番中田(日)から9番秋山(西)まで、安打どころか走者すら出せない。監督は「個々の状態を上げるしかない」と、話した。
内川は八回、途中出場で一塁守備に就いた。無死一塁からのバント処理で、捕手の小林(巨)の送球を内川が落球し、拾い上げたところで走者と激突。右肩を押さえながら退いた。
代打の切り札で、この日のように重苦しい展開でこそ頼りたいのが内川。宮崎市内の病院では、右肩の打撲と診断された。脱臼など、深刻なけがではなかったのは不幸中の幸いだ。
合宿は23日から4日間だけ。所属チームで調整させて、「すぐに実戦ができる状態でスタートする」というのが小久保監督の狙いだった。現状では仕上がりにばらつきがある。投手では、武田(ソ)と藤浪(神)は良かったが、松井裕(楽)は2四球と乱れ、千賀(ソ)のフォークもワンバウンドが目立った。
3月7日のWBC初戦まで時間は迫る。短期間で投打の状態を引き上げる必要がある。(伊藤雅哉)