28日、銃撃と爆発があったアタチュルク国際空港から避難する利用客ら=AFP時事
中東と欧州をつなぐトルコで、世界中の人々が利用するイスタンブールのアタチュルク国際空港が無差別テロに襲われた。中東最大の経済規模を誇るトルコの「繁栄の象徴」とされる施設。昨秋から相次ぐ国内のテロを受けて厳重に警備されていたが、惨事を防げなかった。
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テロから一夜明けた29日朝、空港の出発・到着ロビーは再開され、いつも通りに利用客でごったがえしていた。
ビル内の所々で、鼻にツンとくる化学薬品のような臭いが立ち込めている。到着ロビーには弾痕が残り、強化ガラスにはひびが入っていた。自爆現場周辺のガラスは粉々に砕け、天井板ははがれ落ちていた。
衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、襲撃犯は3人。1人目はビル内に入り、手荷物のX線検査場前でライフル銃を乱射。さらに建物内を奥に進んだところで警察官に銃撃されて倒れ、自爆した。
2人目もX線検査場前で乱射を始めた。1人目が自爆した後、追うように自爆した。3人目はビルの外のタクシー乗り場付近で乱射を始めた。警察と銃撃戦になり、しばらくしてから自爆した。
到着ロビーの花屋で働くメフメット・アルスランバイさん(58)は、店内にいて「パンパンパンパン」と銃撃音を聞いた。ロビー中央に避難した直後、ビルの出口付近で「ドーン」と爆発が起こり、オレンジ色の火柱が上がった。周囲にいた人は吹き飛ばされ、血まみれで床に倒れた。