大阪府立高校の複数の教員が教科書会社から検定中の高校教科書を見せられ、謝礼を受け取ったと申告していた問題で、府教育庁は30日、申告などがあった教員計37人を独自に調査した結果、2人の閲覧が不適切だったと発表した。1人は金品も受け取っていた。
検定中の高校教科書でも謝礼か 複数教員が申告 大阪府
検定中の教科書の閲覧をめぐっては、文部科学省の調査で、教科書会社10社が2009~14年度、小中学校の教員ら約3500人に教科書の内容を見せて謝礼を渡していたことが判明しているが、同省によると、高校のケースが明らかになるのは初めてという。
府教育庁によると、府立高校などに調査を求め、26校から34人分の申告があった。情報提供を求めた教科書会社からも3人分の報告があった。
このうち、検定中の教科書を閲覧したとされるのは9人。うち1人は、2011年10月に日本文教出版(大阪市)の担当者から検定中の情報科の教科書のコピーを見せられて意見を述べ、謝礼9千円、交通費2千円を受け取った。もう1人は金品の授受はなかったが、13年10月に学校の廊下で文英堂(京都市)の担当者から検定中の英語の教科書を見せられた。同庁は、事情がないのに2人が閲覧した点を不適切とした。