馳浩・文部科学相は28日、2017年度に高校で使う教科書の部数がどれくらい必要か、都道府県教育委員会からの報告期限を約1カ月半ずらし、10月31日に延長する考えを明らかにした。大修館書店(東京都)が自社の英語教科書を使う高校に問題集を無料提供した問題を受けた措置。
問題発覚後の10日、文科省は他にも同様の行為がなかったか、同社を含めて高校教科書を発行する39社・個人に調査を求めた。検定中に教科書を教員らに見せて謝礼を払ったり、採択関係者に金品を贈ったりする行為がなかったか調べている。文科省が結果をまとめて公表するのは9月ごろになる見込みだ。
一方、高校教科書は採択後、必要部数を前年度の9月16日までに都道府県教委が集計して文科相に提出することが規則で決められている。文科省は、各教委が調査結果を踏まえて慎重に審議した上での採択が欠かせないとして、17年度分に限り、期限を延長する。
馳文科相は「教科書を選ぶに当たって何が一番大切か、先生方、校長先生、教育委員会のみなさんに考えてほしい」と述べた。(片山健志)