国際陸上競技連盟は1日、ドイツ公共放送ARDにロシア陸上界の組織ぐるみのドーピングを告発した陸上女子800メートルのユリア・ステパノワ(29)の国際大会での出場資格を認めると発表した。
国際陸連は、ドーピング問題で多大な貢献をしたとして、ステパノワに対する特例を認めた。ロシアからではなく、中立選手での出場となる。リオデジャネイロ五輪出場の道も開けた。ステパノワはドーピング規定違反で2年の出場停止処分を受けていたが、昨年1月に処分期間は終わっている。欧州陸連は同日、アムステルダムで6日から始まる欧州選手権にステパノワの出場を認めると発表した。欧州陸連の旗の下で、6日の女子800メートル予選から出場できる。
国際陸連が6月18日、ロシアのリオ五輪出場を認めない決定を下した際、規定を改正し、個人資格での出場の余地を残した。選手からの申請が必要で、国際陸連は1日までに、80人以上のロシア人選手から申請があったことも明らかにした。AFP通信によると、陸上女子棒高跳びの世界記録保持者エレーナ・イシンバエワも申請しているという。(マルセイユ=河野正樹)