ロシア・オリンピック委員会のソフィヤ・ベリカヤ選手委員会会長=11日、モスクワ、ロイター
ロシア・オリンピック委員会(ROC)は11日、選手委員会を開き、国家ぐるみのドーピング問題で国際オリンピック委員会(IOC)から代表選手団の派遣を禁止された来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加について、全会一致で個人参加を支援することを決めた。最終的な判断はコーチらも出席する12日の会合で決まるが、多くの選手が参加する見通しとなった。
委員会は同日、一部選手に参加の意思を確認。委員会のソフィヤ・ベリカヤ会長は会合後、報道陣に「現時点で参加したくない選手はいない」と話し、選手の決断を尊重するとした。
ロシアの平昌五輪への参加問題では、プーチン大統領が6日、「希望する選手の邪魔はしない」と個人参加を容認する考えを示した。ジューコフROC会長も「ボイコットをすれば、ロシアが長期にわたり五輪から消えることになる」と懸念を表明。すでにロシア・カーリング連盟などは参加の方針を決めている。
ただ、ロシア下院が8日、「国を代表して競技できないのは選手への人権侵害だ」などとIOCを批判する声明を全会一致で採択。ロシア上院もドーピング問題は、「米国が他国と協議して反ロシアの問題を引き起こした」と、世界反ドーピング機関(WADA)の幹部への制裁を検討しているという。
IOCは5日、ドーピング違反を理由にロシア選手団の派遣禁止を決定。潔白が証明された選手は「ロシアからの五輪選手」として個人参加が認められたが、国旗や国歌を使えず、ロシアは強く反発している。(モスクワ=中川仁樹)