インドネシア産のシーラカンスの新種「ワイテイア オオイシイ」の化石=北九州市小倉北区
インドネシアの西ティモールで見つかった約2億3千万年前のシーラカンスの化石が、北九州市立いのちのたび博物館の籔本(やぶもと)美孝学芸員(63)らの研究で新種と確認された。1日発行の日本古生物学会の国際誌「パレオントロジカル・リサーチ」に論文が掲載され、博物館で展示が始まった。
シーラカンスは生きたまま見つかった2種を含めて約130種が確認されている。新種は推定全長23・5センチ。通常は7~8本の背びれの筋が9本あり、頭の骨に突起がないなどの特徴から新種と確認された。
籔本さんは2014年、城西大学の大石化石ギャラリー(東京)に展示されていた半分に割れた化石が新種の可能性があると気づき、借用して研究に着手。その後、東京であった別の化石展示会で同じ個体の反対側の化石を見つけ、購入して分析した。リオデジャネイロ州立大のパウロ・ブリトー准教授と共同で研究し、学名は「ワイテイア オオイシイ」と付けた。
東南アジアでシーラカンスの化石が見つかるのは珍しく、籔本さんは「シーラカンスが2億年以上前に世界中で生きていたことを示す手がかりになる」と話した。(伊藤宏樹)