英ブレア政権が2003年にイラク戦争に参戦した経緯などを検証した独立調査委員会(チルコット委員会)の報告書が公表されたことについて、米ホワイトハウスのアーネスト報道官は6日の記者会見で、「過去の誤りから米国が教訓を得ることが重要だ」と述べた。
英のイラク参戦「最後の手段ではなかった」 検証報告書
特集:イラク戦争
イラク戦争は、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器(WMD)を開発、保有しているという誤った情報を大義に米英主導で始まった。報告書は「軍事行動は当時、最後の手段ではなかった」などと断じている。
アーネスト氏は、「オバマ大統領が長くイラク侵攻に反対してきたことはよく知られている」と話した。イラクでは戦後、過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭し、米軍主導の有志連合が掃討作戦をしている。アーネスト氏は、ブッシュ前政権が下した開戦の決断の結果が現在の混乱だと示唆し、「オバマ氏は大統領在任中、ずっとその結果(の問題)を解決しようとしている。将来の大統領も恐らく同じようにしなくてはならない」と語った。
一方、AFP通信によると、ブッシュ前大統領の広報担当者は6日、「(ブッシュ氏が)既に認めている情報機関の失敗や他の誤りはあったが、サダム・フセイン(元大統領)が権力の座にいないことで世界はよりよくなったと(ブッシュ氏は)信じている」とした。(杉山正)