断続的にたたきつけるような雨が降り、歩道を歩く人たちの足元がかすんで見えた=13日午前10時25分、福岡・天神、長沢幹城撮影
対馬海峡付近の梅雨前線の影響で13日、九州北部を中心に激しい雨が降った。前線は徐々に南下しており、南部では13日夜まで局地的に非常に激しい雨が降る見込み。気象庁は、河川の増水や土砂災害に警戒するよう呼びかけている。
長崎地方気象台は、長崎県対馬市で雨雲などのデータによる推計の解析雨量が13日午前4時までの48時間で約300ミリに達したとして、「50年に一度の記録的な大雨となった」と発表した。同市厳原(いづはら)町の一部地区では58世帯109人に一時避難勧告が出され、別の地区では7人が自主避難した。
1時間雨量では福岡県太宰府市で45ミリ、山口市前町で44・5ミリなど、各地で激しい雨を観測。北九州市門司区では、住宅の脇の石垣が崩れて家の中に土砂が流入し、住人の50代女性が割れたガラス窓で手に軽いけがを負った。佐賀県唐津市でも土砂崩れで民家1棟が一部損壊。山口県内では下関、山陽小野田の両市で、17世帯が床下浸水した。
熊本県では、大雨に加え地震の影響で土砂災害の恐れがあるなどとして、南阿蘇村の約2千世帯、約5千人に避難指示が出された。
この雨の影響で、JR後藤寺線や筑肥線など、複数の在来線で一部が運転を見合わせたほか、九州道も福岡県内の一部で通行止めになった。
気象庁によると、14日正午までの24時間雨量は熊本や鹿児島の多いところで200ミリに達すると予想され、局地的には九州全域で1時間に70ミリの非常に激しい雨が降る可能性があるとして警戒を呼びかけている。