善光寺(長野市)の天台宗側のトップである小松玄澄貫主(かんす、82)が差別的な発言をしたなどとして、善光寺傘下の天台宗の住職でつくる協力組織「天台宗一山(いっさん)」(一山)の有志や信徒らが13日、小松貫主の罷免(ひめん)を求める申告書を天台宗務庁(大津市)に送った。小松貫主は発言を否定している。
「善光寺貫主が差別発言」 信徒ら辞任要求、貫主は否定
善光寺は天台宗の「大勧進」と浄土宗の「大本願」の二つの組織が共同運営しており、小松貫主は大勧進のトップの地位にある。
一山の前代表、中島道生氏はこの日午前、長野市で記者会見を開き、「一連の人権問題、差別発言疑惑、不祥事の中心にいるのは貫主自身。全国の信徒の信頼を失墜させた」と述べた。
一方、小松貫主の代理人によると、小松貫主は12日、善光寺内に一山の住職らを集めて説明会を開き、一連の疑惑を否定するとともに辞任をしない意向を表明。説明会後には一部の報道陣を対象に記者会見し、辞任の意思がないことを改めて示したという。
天台宗務庁は天台宗の宗務を統括する事務所。一山側からの申告書が届き次第、責任役員会議を開き、調査の必要性などを判断する。13日、取材に対して「書類が届いてから対応を考えたい」と説明した。