善光寺(長野市)の天台宗側のトップである小松玄澄貫主(かんす)(82)が、不当な人事異動や差別的な発言をしたなどとして、善光寺傘下の天台宗25寺院の住職でつくる「天台宗一山」や信徒が辞任を求めている。小松貫主はいずれも否定しているが、信徒らは強く反発している。
善光寺は天台宗の「大勧進」と浄土宗の「大本願」という二つの組織が共同運営しており、小松氏は大勧進トップの「貫主」に就いている。
天台宗一山は、大勧進の60代の女性職員2人が「小松貫主からセクハラを受けた」と訴えたのに対し、小松貫主が昨年8月、この2人を別の部署に異動させた▽異動を「不当な人事」と県労連に訴えた2人に対し、小松貫主が差別的な発言をした――などと主張。「一山」の代表住職ら3人は今月23日、小松貫主に対して善光寺住職と貫主の辞任などを求める通告書を大勧進に提出した。25日には、信徒でつくる「信徒総代」も貫主辞任の勧告書を小松氏に手渡した。
一方、小松貫主の代理人を務める弁護士によると、小松貫主は「パワハラ、差別発言の事実はない」と否定しているという。