善光寺(長野市)の天台宗側のトップ小松玄澄・大勧進貫主(83)が7日、大津市の天台宗務庁で朝日新聞などの取材に応じ、信徒らから指摘されている女性職員への差別発言や不当な人事異動などについて、「根拠がなく、でっち上げだ。やっているわけないでしょ」と全面的に否定した。
小松貫主はこの日、信徒らから罷免(ひめん)要求されている問題をめぐり、天台宗務庁による2回目の事情聴取を受け、同様の説明をしたとみられる。調査を進めている天台宗務庁は朝日新聞の取材に「事情聴取は今日あるが、内容については答える必要がない」とした。
差別発言をめぐっては、部落解放同盟県連合会などが事実確認のための会合を3回開いたが、小松貫主がいずれも欠席した。このため解放同盟側は今月5日、善光寺関係者への聞き取り調査に基づいて「差別発言があったと見なさざるを得ない」との見解を示した。
善光寺傘下の住職でつくる「天台宗一山」の有志や信徒らが7月、小松貫主の罷免を求める申告書を天台宗務庁に送った。