リムパックの人道支援・災害復旧訓練で、海自護衛艦「ひゅうが」で、米兵らを搬送する自衛隊員=13日、ハワイ沖、佐藤武嗣撮影
米ハワイ沖で過去最多26カ国が参加し、米海軍主導で環太平洋合同演習(リムパック)が開かれている。13日は海上自衛隊幹部が全体を統括し、米国など5カ国と人道支援・災害復旧訓練を実施。一方、2回目の参加となる中国は派遣規模を拡大。南シナ海問題などで対立する中国を招待し続ける米国には、ジレンマものぞく。(ワシントン=佐藤武嗣)
中国のリムパック参加は「進化の印」 ラルフ・コッサ氏
重軽傷者搬送のため間もなく当艦に着艦する――。13日、ハワイの青い海に浮かぶ海上自衛隊の護衛艦「ひゅうが」に、緊迫したアナウンスが流れた。着艦した海自SH60ヘリからは米兵らが担架で次々と格納庫に運び込まれ、医官らが治療にあたった。
日本の海上自衛隊が中心的な役割を担った、多国間の人道支援・災害復旧訓練の一環だ。
「グリフォン」と名付けた架空の島でマグニチュード(M)7・9の大地震が発生。道路や空港が甚大な被害を受け、被災国が国連に支援を要請したという想定だ。
支援内容を決める「軍民共同調整所」では、初めて自衛官と米軍幹部が同一テント内で共同作業をした。演習全体を統括する海自の真鍋浩司海将補は、「訓練を通じ各国や国際機関との協力関係を構築していく」と意義を語る。
日米は昨年、日米防衛協力の指…