ラルフ・コッサ・米パシフィックフォーラム戦略国際問題研究所(CSIS)所長
南シナ海での挑発行為やサイバー攻撃を繰り返す中国を、米国はなぜ環太平洋合同演習(リムパック)に招待し続けるのか。リムパックの舞台・ハワイに拠点を置く米パシフィックフォーラム戦略国際問題研究所(CSIS)のラルフ・コッサ所長に聞いた。
合同演習に最多26カ国参加 日本主導で災害復旧訓練も
――リムパックは今回25回目となります。その性格はどう変化していますか。
現在の演習は当初より洗練され、格段に幅広く、戦闘のためではなく、緊急事態に協力できるよう多数の国が参加するようになった。欧州やラテンアメリカ、アジアの国々が、共通のテーマを持ち、それを維持するという多元的な演習になった。
――中国についてはどうですか。
中国は前回の2年前に続き、今回で2度目の参加となった。中国はかなり前から招待されていたのに、参加しなかった。中国の参加は有益だ。米国は中国がより責任ある役目を果たすことを望んできた。(演習参加は)中国が進化した印だ。
――しかし、中国の南シナ海での活動やサイバー攻撃などを理由に、米国では上院軍事委員長のマケイン氏(共和党)らが中国招待を撤回するよう求めています。なぜ、オバマ政権は中国招待を続けるのですか。
オバマ大統領は、中国と競り合…