アジア欧州会議(ASEM)会場に到着した安倍晋三首相=15日午前、モンゴル・ウランバートル、飯塚晋一撮影
アジア欧州会議(ASEM)首脳会合が15日午前、モンゴル・ウランバートルで開幕した。16日まで2日間の日程で、安倍晋三首相も出席しテロ対策や国際経済などについて議論する。首相は15日、ドイツのメルケル首相と会談し、午後には中国の李克強(リーコーチアン)首相とも会談する。
安倍首相はこの日午前の全体会合で、東シナ海や南シナ海に進出する中国などを念頭に、「法の支配を重視し、力による一方的現状変更を認めないとの原則をしっかり貫くべきだ」と主張。「アジアにおいては、南シナ海をめぐる情勢の平和解決、北朝鮮の核ミサイル、拉致などの人権問題の解決が必要だ」と訴えた。
また、英国のEU離脱問題などに伴い、世界経済の情勢が「不透明な状況に直面している」と指摘。「我が国は金融、財政、構造改革からなる政策手段を総動員し、世界経済の成長と金融・為替市場の安全に全力を尽くす」と述べた。
首相は全体会合後、メルケル氏と会談し、日独で世界経済を牽引(けんいん)するよう呼びかけた。バングラデシュのハシナ首相とも、日本人7人が犠牲になったバングラデシュ・ダッカの襲撃テロ後初めて会談。テロの脅威についての情報共有や再発防止に向けた協力を求めた。(ウランバートル=山下龍一)