今も安否不明のままの大和晃さんの手がかりを捜す父親の卓也さん=16日午後3時17分、熊本県大津町、福岡亜純撮影
2度目の震度7を記録した熊本地震の本震から16日で3カ月となった。住民らは各地で犠牲者を悼み、安否不明のままの大学生の両親らは息子の姿を捜した。熊本県内ではこれまでに仮設住宅約2千棟が完成し、被災者は徐々に避難所から生活の場を移し始めている。
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南阿蘇村の倒壊したアパート前に16日早朝、東海大の学生3人らが訪れた。阿蘇キャンパスの農学部2年だった大野睦(りく)さん(当時20)が亡くなった現場に設けられた献花台そばに、花束と缶ビールをそっと置き、手を合わせた。
阿蘇キャンパスは閉鎖されており、学生たちは熊本市東区の熊本キャンパスに通う。この日、熊本キャンパスでは、阿蘇から移ってきた学生が、すでに入居しているアパートなどを「みなし仮設住宅」とする手続きのための窓口が開設された。
南阿蘇村に隣接する大津(おおづ)町ではこの日、安否不明の熊本学園大4年、大和晃(ひかる)さん(22)の父、卓也さん(58)ら家族が、晃さんが車を運転していて土砂崩れに巻き込まれた可能性がある阿蘇大橋(南阿蘇村)から下流約5キロの河原で捜索をした。
卓也さんらがこれまでに見つけた車のハンドルやシートベルトは晃さんの車の部品ではなく、今は晃さんの車と同じ黄色の金属板の鑑定の結果を待つ。この日も有力な手がかりはなかった。卓也さんは「手がかりの発見が難しくなる前に早く見つけたい」と話した。
熊本県内では16日現在、16市町村で3678棟の仮設住宅が計画されていて、うち1969棟が完成。民間のアパートなどを借り上げる「みなし仮設住宅」の申請の受付件数も5千件を超えた。