熊本地震で立ち入りが「危険」とされた住宅の敷地が、熊本県内で2707件に上ることが県のまとめでわかった。新潟県中越地震の5・1倍。地盤の液状化や造成宅地の斜面崩落、活断層近くの地盤崩壊など被害は多様で、県は国に対し、支援を求めている。被災地は16日、本震から3カ月を迎える。
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宅地被害が大きいとみられる県内12市町村の被災宅地危険度判定の結果を、県が6月15日時点でまとめた。「危険」と判定された宅地は、震度7が2度襲った益城(ましき)町が1233件で最も多く、西原村454件▽熊本市453件▽南阿蘇村327件などと続いた。立ち入りに十分な注意が必要な「要注意」も計1983件あった。
危険と判定された宅地の状態は①地盤の液状化②斜面造成地で盛り土などが崩落③擁壁の崩れ、地面の亀裂や陥没――など。多くの地盤被害が生じた要因について、現地を調査した専門家らは、阿蘇山の噴火で形成された火山性土壌による揺れに弱い地質構造や、2度の最大震度7の揺れが襲ったことを挙げている。
東日本大震災で液状化したり斜面が崩落したりした宅地について、国は公共用地と共に地盤改良する事業などに対して半額を補助した。熊本県は今回の地震の被害宅地に対しても、東日本大震災と同等以上の手厚い支援をするよう国に求めている。(小林舞子、吉田啓)